クラゲとイソギンチャク、実は同じ分類に属しているのです。

海を漂うクラゲに対し、イソギンチャクは海底に固着して生きていますが、同じ『刺胞動物』という同じ分類に入るのです。

ここでは、生命の進化におけるクラゲやイソギンチャクの位置づけを、その特徴をふまえながらご紹介しましょう。

刺胞動物とは!?

刺胞動物はその名前の通りすべて刺胞と呼ばれる針を持っており、そこから出る毒で獲物を捕らえます。

サンゴも同じ仲間です。

最初の生き物である単細胞生物が誕生したのが35~40億年前、そこから進化を繰り返し、最初に海綿が、続いてクラゲやイソギンチャクのような刺胞動物が生まれました。

クラゲの種類とそれぞれの進化について

クラゲの祖先の誕生は約6億年前と言われています

最初にヒドロクラゲと呼ばれる種類が誕生し、その後鉢クラゲ類と立方クラゲ類に分化していったと推測されています。

クラゲの種類は大きく2つに分類される!

一つ目は有櫛動物門

ここに属するクシクラゲ類は、触手に刺胞がないので刺されません。

もう一つは刺胞動物門で、イソギンチャクもここに属しています。

刺胞動物門はさらに三つに分類されます。

最も原始的なのがヒドロクラゲ類で、カツオノエボシ,マミズクラゲ,カギノテクラゲなどがいます。

鉢クラゲ類にはミズクラゲ,アカクラゲ,エチゼンクラゲなど、立方クラゲ類にはアンドンクラゲ,ハブクラゲなどが属し、特に感覚器が発達して網膜の備わった眼もあります。

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不思議な変身を繰り返すクラゲの一生とは!?

クラゲは独特な変身を繰り返して増えていきます。

受精卵が孵化→プラヌラ(幼生)は自力で遊泳し、海底の岩などにくっついてイソギンチャクのような形のポリプに変化→ポリプは触手をのばしてプランクトンを捕まえて食べ、根を出してどんどん繁殖→ポリプの体が伸びてくびれができ、ストロビラという形に変化→動きが活発になりエフィラに変化、岩を離れて遊泳する→エフィラが成長しメテフィラからクラゲになるという流れを繰り返します。

つまり、イソギンチャクのような付着生活をするポリプの状態と、浮遊生活をするクラゲの状態があり、それが繰り返されているのです

イソギンチャクはポリプなの?

ポリプというのは刺胞動物の形のひとつで、クラゲが幼生時の付着生活でこの形をとるのに対し、イソギンチャクはポリプの状態で一生を送ります。

環境の変化にも比較的強く、増殖や再生を繰り返し延々生き続けるので、長い飼育が可能です。

ただし、自然からの採集はクラゲほど簡単ではありません。

まとめ

同じ刺胞動物でも、クラゲとイソギンチャクには成長の過程で大きな違いがみられます。

また、クラゲの種類の数だけ個性的な成長のバリエーションがあり、謎も多い生き物であることがわかります。

クラゲやイソギンチャクの仲間の成長の過程は、まさに太古からの生命の進化の複雑さを垣間見る1ページですよね。

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