クラゲは、地球上に5億年前のカンブリア紀から出現しています。
棲息環境は、淡水から海水まであり、沿岸部から外洋、そして海面近くから深海まで、水環境のあらゆるところです。
クラゲの生態は、まず、受精卵をメスの体内で孵してプラヌラという幼生になります。
浮遊性のプラヌラは親クラゲから離れて海の底に落ち、石などの基質に付着します。
付着したプラヌラはポリプに姿を変えます。
ポリプは付着性で、さらにくびれができて皿を重ねたようなストロビラとなり,それぞれが遊離して花びらのようなエフィラとなり、変態して透明な成体のメテフィラとなり、大きくなってクラゲの成体となります。
付着したプラヌラからポリプの状態を飛ばして直接エフィラになることもあるそうです。
逆にポリプでとどまっている場合もあります。
ポリプは無性生殖で、クラゲは有性生殖です。
ポリプの繁殖力は強いですが、再生はどうなのでしょうか。
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クラゲは再生するか
クラゲは再生します。ポリプも再生します。
クラゲを二つに切ると、それぞれが回復して、結局2個体のクラゲが出来上がったという報告があります。
また、クラゲの長い触手が切れたとき、数日経ってから元の長さに戻ったという報告があるのです。
さらに、海洋生物学の専門家の観察では、海から獲ってきたオスの稚クラゲを成体にまで育てたが、18か月後に亡くなりました。
その亡骸を新しい水槽に新しい水を入れて移したところ、3か月後に、分解したクラゲの亡骸から、ポリプが現れたという発表が科学誌に載せられています。
クラゲの再生能力
動物の再生能力の尺度をどのように設定するのかは難しいが、クラゲの再生の上記の3例からみて、クラゲの再生能力は、かなり高いと考えてよいでしょう。
ほとんど最高レベルともいえますね。
まとめ
トカゲを手で捕まえたと思って手を開いたところ、尻尾しか残っていなくて、その尻尾がぴくぴく動いていたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
クラゲの再生、治癒能力はあまり知られていないようですが、ものすごいと感じます。
クラゲの生態において、細胞と遺伝子がどのように変わっていくのかを研究することは興味深いことと思います。
クラゲの研究が医療、特に再生医療として、がん研究などにフィードバックされる日も来るのではないでしょうか。