クラゲは刺胞動物に分類されます。
刺胞動物とは、刺胞と呼ばれる、毒液を注入する刺糸である針を備えた細胞を有する動物で、他にサンゴやイソギンチャクなどがあります。
刺胞動物は有性生殖を行うので雌雄異体で、オスとメスがいます。
クラゲは、卵から幼生に発生し、幼生は海中の石や貝の基質上に定着して、ポリプとなります。
ポリプは無性生殖で、ポリプがメデューサに変態します。
このメデューサがクラゲで、オスとメスがあり、有性生殖を行うのです。
さらに、クラゲには、広義では有櫛動物であるクシクラゲという種類があります。
クシクラゲは、雌雄同体で一つの個体にオスとメスの両方が存在して精子と卵子の両方を作ります。
クシクラゲはクラゲと異なる生き物で、ここでは雌雄異体のクラゲのオスとメスについて述べたいと思います。
クラゲのオスとメスの違い
クラゲのオスとメスでは、傘の中央にある生殖巣が異なり、オスは精子をだし、メスは卵子を出します。
生殖巣は傘の下側にあります。
クラゲのオスとメスの見分け方
外見では見分けがつきません。
生殖巣を見ることで見分けるのです。
生殖巣の色が、オスは白っぽく、メスはピンクから紫っぽいです。
また、メスは傘の下の中央部に構造部を有します。
飼育した場合、精子を出すのがオスで、卵子を出すのがメスである、という見分けができます。
クラゲの生殖
クラゲの生殖は、オスとメスの交尾によるものでなく、オスとメスのそれぞれが傘の内側にある生殖巣から精子か卵子を海中あるいはメスとオスのそれぞれの生殖巣下腔に放出します。
メスとオスのそれぞれが精子か卵子を受けて受精する、という形をとります。
繁殖期は12月から6月です。
オスとメスの2匹のクラゲから生まれた子どもクラゲが生き残る数は、2匹だけなのです。
まとめ
クラゲには、ポリプとメデューサという二つの形態があり、クラゲの成長過程にあるポリプも生殖作用を行う、しかもポリプはまだオスとメスの区別がないから、無性生殖を行い増殖する、という点は、興味深いですね。
ポリプが、メデューサ、すなわち大人のクラゲに変態するわけですが、どのポリプがメデューサになるのかは、水温などの環境の変化により突然に起こることで、どのような過程で起こるのかは、まだ解明されていません。