クラゲの毒は、種類によっては『アナフィラキシー反応』が発生することがわかっています。
激しいアレルギー症状により、命を落とす恐れもありますので、注意が必要です。
ここでは、クラゲの毒の性質とその症状、および対処方法を中心にご紹介します。
Contents
アナフィラキシー反応とは!?
スズメバチに刺された時の症状で知られていますが、一度刺されると体内に抗体ができ、次に刺された時にその抗体によって、直後に激しいアレルギー反応が発生することを指します。
アナフィラキシー反応が発生した場合、呼吸困難などにより命を落とすことがあります。
クラゲの毒はあなどれません。
刺された時は早めかつ適切な判断で救急車を呼びましょう。
クラゲの毒の恐ろしさを知ろう!刺されるとどんな症状が!?
日本の海に生息するクラゲについて、毒性が強くアナフィラキシー反応を起こす可能性の高い種類を紹介します。
カギノテクラゲ
主に3月~9月初旬に発生、刺されたらビリっとした激痛が走ります。
しばらくしてから全身症状が現れるので油断できません。
刺されてから1~2時間は注意が必要です。
神経毒による全身症状が主で、関節痛や筋肉痛、呼吸困難、咳や鼻水、吐き気、頭痛、痙攣、寒気、チアノーゼなどを起こすことがあります。
アカクラゲ
基本的に夏以外の季節に発生し、乾燥した刺糸を吸い込むとクシャミが出ることから、別名「ハクションクラゲ」とも呼ばれます。
刺されるとヒリヒリした痛みが走り、ミミズ腫れや水疱、呼吸困難等を引き起こすこともあります。
カツオノエボシ
主に3~8月に発生します。
「電気クラゲ」とも呼ばれ、刺されると全身が電気に打たれたような激痛が走り、10分後くらいにミミズ腫れになったり高熱が出る場合もあります。
過去に一度カツオノエボシに刺された事がある人が刺されると、アナフィラキシーを起こし、ショック命を落とす危険性がある恐ろしいクラゲです。
ハブクラゲ
沖縄地方に生息するハブクラゲは、5月~10月くらいに発生します。
このクラゲの毒は、ハブの毒の数倍もの強さを持ちますので、重症の場合は呼吸困難、心肺停止に陥ることがあります。
焼けつくような激しい痛みの後、赤くミミズ腫れや水泡になり、最悪の場合は細胞破壊が生じることもあるので、傷跡が残る可能性が高いです。
毒性の高いクラゲに刺された時の対処法を知っておこう!
クラゲ毒は、刺された直後に反応が出るものもありますが、数時間後に症状がでることもあります。
適切な早期対応と判断が必要です。
刺された場合の注意と対策は!?
すべてのクラゲに共通する対処法は次のとおり。
■落ち着いて海から上がり、安静に。時間差で症状が出ることもあるので注意する。
■傷口に海水をかけて触手を洗い流す。この時絶対に真水を使わないこと。浸透圧で触手の毒が体内に入ってしまうから。
■クラゲ毒はタンパク質なので、冷やすことで活動を抑えることができます。60度以上に温めるても同じ効果がありますがやけどの恐れもあるので、手っ取り早く氷水などで冷やす。熱い砂をすりこむのはNG!触手を刺激すると毒が発射される恐れがある。
■虫刺され薬に含まれている成分、抗ヒスタミン軟膏を塗る。
■触手を取るのに口で吸ったり素手を使うと、体内に毒が入り込むので注意する。
■尿をかけるといいという説もあるが、実際には効果は期待できない。
猛毒のクラゲの応急処置はこちら
■カツオノエボシ,ハブクラゲなどに刺されたら、直ちに救急車を呼び、すでに呼吸や心臓が止まっている場合は、人口呼吸や心臓マッサージなどの応急処置を行う。
■アンドンクラゲ,ハブクラゲについては、酢をかけると毒の発射が抑えらる。ただし、カツオノエボシには逆効果!
まとめ
海の中だけでなく、海岸に打ち上げられているクラゲに触れることで被害にあうこともあります。
クラゲは見た目もきれいで珍しいので、特に小さなお子さんが好奇心で触ってしまわないよう注意が必要ですね。
刺されてしまった場合の対処法を把握しておけば、もしもの時に落ち着いて行動できますし、あらかじめの準備や対策も可能になります。
繊細な小さな生き物ですが、油断しないようにしたいものです。